美容医療賠償責任共済(苦情処理対応付)開始のお知らせ
 
日本美容皮膚科学会保険委員会
須賀康・乃木田俊辰・長谷川敏男

 美容皮膚科は,美容を目的とするメスを使用しない皮膚科的な診療行為のことをあらわし,近年ではその医療技術の発展により,安全で気軽な施術が受けられるようになってきている。しかしながら,美容皮膚科は生命維持に必須な医療行為ではないために,真の医療過誤による医師・患者間の医療賠償の問題よりも,むしろ患者が治療に過度の期待をもって来院した結果,期待した効果が得られない,かえって症状が悪化した,費用が高すぎるなどの不満をもちクレーマー化して,医師の診療意欲を削ぐようなケースが増えてきている。これらを考慮すると,本邦における健全な美容皮膚科の発展を願った場合,医療過誤に対する賠償以外にも,何らかの形で患者からの苦情処理に協力してくれる制度が確立している方が美容皮膚科診療に携わる医師にとっては心強い。
 現在,国内で医療過誤をカバーする目的で提供されている医師賠償責任保険(医賠責)は,「美容を唯一の目的とする医療行為」によって生じた賠償責任の担保は除外している。加えて,これまでの保険会社は医療過誤以外から生じる患者からの苦情に対しては,エージェントが対応したり,助言してくれたりするような制度の要望があっても構築することができなかった。これは保険会社が金融庁の保険業法の下で保険事業を行っており,保険商品の販売はあくまでも保険会社の営利を目的として行っているためである。そこで,日本美容皮膚科学会の理事会,評議員会ではこれらの問題点を整理し,美容皮膚科の実態に即した@医療過誤とA苦情の双方に対応するものとして,保険委員会を受け皿とした共済会を当学会内に組織して「苦情処理対応付の医賠責制度」を導入する検討を行ってきた。
 「共済」とは,ある団体の会員が自ら掛金を出し合い,事故がおきた人のために共済金を支払うという,会員同士の相互扶助事業のことをあらわす。本学会においては,@共済会を設立して医賠責制度を組織すること。A早期導入が望まれていることから,一般社団法人日本美容医療責任共済会と業務提携し,共済会を委託方式で運営することが,第30 回本学会総会の理事会,評議員会(平成24 年8 月17 日(金)〜19 日(日))において承認された。また,今後は共済会と保険委員会が合同でB会員の医賠責制度に対する理解・意識が継続するように毎年の総会・学術大会を中心に運営・活動状況の報告,啓蒙活動などを行っていく予定である。
 以上のような経緯をもって,今回は医賠責の内容,とくに約款,補償限度額および掛け金,カバー範囲についての詳細を示し,共済会への加入を呼びかけるものとした。今回導入する『美容医療賠償責任共済(苦情処理対応付)』は,共済会に入会した会員を医療過誤のみでなく,患者からの苦情・クレームがあった場合でも支援してくれる苦情処理対応と呼ばれるシステムを有しており,医師が安心して美容医療に専念できる工夫がなされていることが最大の特徴である。さらに導入された後も,実際におこった事故・苦情の経験を会員の間で共有する工夫も積極的に行うことにより,美容皮膚科の分野で働く医師がスキルを身につけて,患者QOLの向上のため安心して働けるようになれば何よりの幸甚である。

 なお,実際の医賠責制度の詳細と美容医療賠償責任共済(苦情処理対応付)への入会に関しては,以下の入会案内・申込書を参照されたい。

 
 
一般社団法人美容医療賠償責任共済会
 
 
問い合わせ先:
一般社団法人日本美容医療責任共済会 事務局長 白井康裕
〒160-0004 東京都新宿区四谷3丁目2-1 四谷三菱ビル6階
TEL:03-6380-4771 FAX:03-6893-6500 フリーダイヤル:0120-961-069
E-mail:yshirai@biyoukyosai.jp URL:http://biyoukyosai.jp/
注意:本共済に関わる問合せは、学会事務局では承っておりませんので上記共済会へ
    ご連絡下さるようお願いいたします。