理事長に就任して
坪 井 良 治
日本美容皮膚科学会理事長
2011年9月10-11日に下関市にて開催されました第29回日本美容皮膚科学会総会・学術大会において日本美容皮膚科学会理事長に選任されました。浅学菲才の身ではありますが, 学会と美容皮膚科学の発展のために力を尽くしたいと思っておりますので,会員の皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
本会は1987年に故安田利顕初代会長のもとに「日本美容皮膚科研究会」として発足し, 1994年に本田光芳会長のときに「日本美容皮膚科学会」となりました。学会会員数は、2002年の伊藤正俊理事長就任時に500名に達し, 2005年の古江増隆理事長就任時に1,000名に拡大し, 2008年の古川福実理事長就任時に1,600名を超えています。今年は会員数が1,800名となっており, 本学会が成長期から成熟期に移行しつつあることをうかがわせます。私自身は2006年に第24回日本美容皮膚科学会総会・学術大会会頭を拝命し, 以後理事として勤めてまいりました。特に, 発毛・育毛を専門分野としています。
本学会は,健全な美容皮膚科学の発展を目標として,美容皮膚科学に関する研究および,その研究成果の普及,ならびに会員相互の交流をはかることを目的として設立されました。しかし, 美容皮膚科学がカバーする範囲は広く, 皮膚の構造・機能や病態の基礎研究から臨床医学, さらに香粧品・美容機器までに及びます。別の言葉で言えば、サイエンスからビジネスまで幅広い。2008年から「美容皮膚科」が自由標榜できるようになったため,皮膚科学の知識や技術の習得が不十分な医師の参入も予想されます。一方で,日本皮膚科学会は2008年から「皮膚科専門医」の上に「美容皮膚科・レーザー指導専門医」の認定制度を発足させて専門性の維持と促進に力を入れています。いずれにせよ, 日本美容皮膚科学会は科学的根拠に基づいた美容皮膚科診療を実施することを大前提とした学会組織であると言えます。
2012年には記念すべき第30回の年次大会が開催されます。ここ10年間で学会としての体裁はかなり整っては来ましたが, さらに制度面での改善が必要です。会員規模に対して評議員・理事の人数が少ないので, 今後は若手医師を積極的に登用することが望まれます。また, 学会として, サイエンスとビジネスのバランスを取りながら, 根拠に基づかない発表や, 本学会を商業目的に利用しようとする団体に対しては断固とした姿勢をとるべきです。さらに, 学会会員が安心して日常診療に打ち込めるように美容医療賠償制度を導入する予定です。私の任期中にこれらの事項について検討を重ね, 実現させていきたいと思いますので, 今後とも会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。
2011年9月
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